Freezing of gait (FOG)は歩行時に足をうまく踏み出せなくなるPDの運動症状である[1]。FOGは、疾患の進行に伴いかなりの患者で出現し、20年の罹病後には最大で81%の患者に影響を及ぼすともいわれている[1,2]。FOGは歩行困難やQOLの悪化、転倒リスクの増加等につながるため対策が重要である[3-6]。現在の薬物療法や外科的治療では、FOGに対する効果が限定的であることから外部刺激によるFOGの改善も試されている。具体的には、足を踏み出すための手がかりであるキューを提示するキューイングデバイスを用いたアプローチがある。キューの種類としては、足を踏み出す場所を視覚的に提示する空間的なキューや、メトロノームや振動等により動作のタイミングを知らせる時間的なキューがある。視覚的なキューの例としては床に水平線を引く方法があり、これは歩行、歩幅、歩き始めを改善することが示されている[7-9]。... 続きを読む