パーキンソン病患者では高度の腰曲がり、頸下がり、体幹側屈(ピサ症候群)などの姿勢異常がしばしば認められる。原因として中枢と末梢の多因子の異常、すなわち大脳基底核や知覚運動統合の異常、体のスキーム知覚や姿勢コントロールに関する認知機能の異常、筋骨格系の変化などが関与していると考えられており、具体的にはジストニア、固縮、固有知覚異常、空間認知能の異常、傍脊柱筋の炎症、脊椎や脂肪組織の変化などが原因として指摘されている[1,2]。また、ドパミンアゴニスト、抗コリン剤、アマンタジンは姿勢異常の原因となる可能性があるとされている。こうした姿勢異常は痛みや転倒リスクを増大させ、QOLを悪化させる要因となる。... 続きを読む